2013年10月21日月曜日

ケータイ売れ筋1位がauの旧モデル・iPhone5になった理由

iPhone5s/5cが発売され、NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクモバイルの主要3キャリアの顧客獲得競争は、より激しいものとなっている。

今、日本のケータイ市場はiPhoneを中心に回っているといっても過言ではないだろう。だが、ここに興味深いデータがある。

大手家電量販店の販売データをもとにしたBCNランキング。iPhone5s/5cが発売された9月20日の翌週である9月23日から9月30日の「携帯電話週間売れ筋ランキング」を見ると、なぜか最新のiPhone5sを抑えて、旧モデルであるauのiPhone5(16GB)が堂々のトップとなったのだ。

なぜ一世代前のiPhone5なのか? そして、なぜauなのか? それは、家電量販店の店頭や街のケータイショップが流すツイッターの情報から見て取れる。なぜならauのiPhone5は、MNPだと本体価格が一括払いで0円(一括0円)は当たり前、場合によってはさらに数万円という高額のキャッシュバック付きで販売されていたのだ。

いくら旧モデルといっても、iPhone5は発売からまだ1年余りの人気機種。それが一括0円、しかもキャッシュバックまでつくというのであれば、「auに乗り換えてみよう」と考える人が増えるのも当然だ。売れ筋ランキング首位というからには、かなりの台数が販売されたことだろう。

実際、auは10月7日に発表された9月のMNP転出入データ(キャリアを乗り換えた契約者の数)で、24ヵ月連続のMNP純増数首位(11万800件増)となった。この数字は、まさにiPhone5の安売りによって支えられていたのではないか。

この点について、auに聞いてみると……。

「キャッシュバックが直接関係あるかどうかは一概には言えません。一因ではあると思います。iPhone5は800MHz帯には対応していませんが、対応する2.1GHz帯のカバー率も良くなってきていますから」(KDDI広報部)

しかし、こうしたauの見解に真っ向から反論するのはケータイ研究家で、青森公立大学准教授の木暮祐一氏だ。

「auのMNP純増連続1位は、高額なキャッシュバックによる販売が最大の要因です。そもそもMNPで移ってくる利用者はほかのキャリアを使っていたわけですから、auのネットワークの良さを知って契約するというのは考えられません。私の住む青森でも、AndroidスマホならMNPで最大キャッシュバック7万円という例がありました。

0 comments:

コメントを投稿