2013年9月24日火曜日

「パズドラというフォーマットは壊していきたい」――ガンホー森下社長が語るゲーム哲学とパズドラの”次”

9月19日から22日まで開催された「東京ゲームショウ2013」(TGS)。その基調講演に『パズドラ』こと『パズル&ドラゴンズ』の大ヒットで知られるガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社の森下一喜社長が登壇し、一問一答形式で講演を行った。

話題の中心はやはり『パズドラ』。大ヒットした理由や森下社長自身のゲーム哲学など、幅広く話が展開される中で、ガンホーにおける"『パズドラ』の次"の輪郭がうっすらと見えた講演となった。

ここで改めて『パズル&ドラゴンズ』(以下『パズドラ』)について説明しておこう。『パズドラ』は、2012年2月にiOSで最初のバージョンがリリースされたスマートフォン向けパズルRPG。わずか1年半で1,900万ダウンロードを達成するなど大ヒットし、現在もAppStoreにおけるトップセールス1位をキープしている。現在は12月12日発売のニンテンドー3DS番『パズドラZ』が鋭意開発中だ。

なぜ『パズドラ』はここまでヒットしたのか。森下社長は「皆さんヒットの理由を聞いてくるんですが」と前置きしつつ、「僕自身は分析していないんです。むしろ失敗の分析の方が大切かなと思っています」とコメント。成功した理由については、これまで各所で話している通り、「成功したタイトルについては、タイミングと運。ゲームを作る人はみんな大変な思いをして努力していて、それは当たり前のこと。当たり前のことを当たり前にやった上で、時の運とタイミングが重なって(成功する)。すばらしいチームに巡り会えたことも運だし、支持してくれる人に最初にダウンロードしてもらえたのも運。すべてにおいて運という言葉をあえて使っています」と述べるに留まった。

とはいえ、今振り返ると「成功のターニングポイントは開発中に訪れていた」のだと森下社長は語る。

「もともと『パズドラ』は横向きの画面で作っていたのですが、それを企画段階で縦持ちに変えさせました。親指の可動範囲でドロップを動かし、画面の上側でダンジョンやモンスターを大きく表現する。そのとき、このゲームいける、と思いました」

さらにそこから、ドロップに色をつけて「属性」という意味を持たせた。プロデューサーである山本大介氏と膝を突き合わせて、キャラクターデザインやタイトル名など、『パズドラ』につながる様々な要素がこのとき決定したのだという。

横向きではなく、縦向きにしたこと。これが、普段はゲームをしない人にも遊んでもらえるきっかけとなった。

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