2013年9月30日月曜日

なぜ夏フェスは巨大化するのか、音楽の感動体験をライブストリーミングで拡張する音楽業界の狙い

 日本でも夏の風物詩として定着した夏フェス。いま、世界中で巨大な音楽フェスティバルが行われ、音楽ビジネスの大きな収益源となっています。そしてそのライブ体験は、ストリーミングを通じて世界中で共有可能になりつつあります。今回は、海外の音楽フェスの新たな試みを紹介します。

■世界中で夏のビッグイベントとなった「夏フェス」

 8月、9月が終わり、今年もまた夏フェスシーズンが過ぎ去りました。読者の皆さんの中にも、フジロックやサマーソニックなど大型野外音楽フェスに参加された方がいるのではないでしょうか? 特にこのふたつの野外フェスは、夏定番のイベントとして認知された感があります。またこの他にも日本各地では大規模から小規模までさまざまな夏フェスが開催され、多くの音楽ファンが足を運びました。今や夏フェスは多くの音楽好きにとって日本の風物詩となって、日本各地に定着しつつあります。


 今、「CDが売れない」不況と言われ続けている音楽業界において、ライブビジネスは大きな収益を生む魔法の泉です。世界的に見てみると、近年アメリカやイギリスの大型野外フェスは軒並み動員数を増大させています。たとえばカリフォルニア州で開催される「コーチェラ・フェスティバル」は2012年に15万人、2013年には18万人という結果になっています。その他にも「ロラパルーザ」は2012年に27万人、2013年には30万人と過去最大の動員数を記録、イギリスの「グラストンベリー・フェスティバル」は2013年に13万5000人など、音楽フェスの人気は衰えを知りません。

 では日本の夏フェスはどうでしょうか? この世界的なフェス人気のトレンドは、ここ日本でも同じです。フジロックは不安定な天候にもかかわらず、前夜祭も含め三日で11万人、サマーソニックでは合計約23万人(東京13万人、大阪10万人)という過去最高の動員数を記録しました。

■「EDM」(エレクトロニック・ダンス・ミュージック」の世界的な隆盛

 音楽業界では、新しい音楽ジャンル「EDM」(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)の勢いが世界中で拡大し、EDMアーティストのライブやフェス、ツアーが大きなビジネスにもなっています。たとえば2013年のケースですと、ラスベガスで開催される「Electric Daisy Carnival」には3日間で約35万人、マイアミで開催される「Ultra Music Festival」には33万人の音楽ファンが訪れます。

0 comments:

コメントを投稿