2013年8月20日火曜日

Windows XPから「気持ち良く」移行するには?

 2001年10月に発売されたWindows XPは、Microsoftによる延長サポートが2014年4月9日(日本時間)に終了する。発売から12年以上もサポートが継続してきただけに、XPユーザーの割合は今なおPC全体の3~4割を占めているほど。MicrosoftやPCベンダーなどが、XPからWindows 7や8への移行をユーザーに訴求してはいるものの、当初想定されたほど大きな盛り上がりをみせてはいないようだ。

 米Net Applicationsの調査によると、6月時点におけるXPのシェアは37.17%、7月時点でも37.19%と、ほとんど変化がない。一方、Windows 7は44.37%から44.49%に、Windows 8は5.1%から5.4%にそれぞれ増えている。国内の状況は、ジーエフケー マーケティングサービス ジャパンが8月13日に発表した法人市場での調査データによれば、人員規模によって若干の違いはあるものの、XP利用率は4割を超える状況になっている。

「移行せず」で2つのデメリット

 サポート終了もXPを使い続ける最大のリスクがセキュリティだといわれる。サポート終了とは、すなわちMicrosoftが毎月提供している修正プログラムが提供されなくなることだ。これまでXPのサポート期間が何度か延長されてきたが、同社はサポートを終了する方針を明確に打ち出している。2014年4月10日以降はどんなに危険な脆弱性が発見されても、同社から修正プログラムが提供されることは、まず無いと考えていいだろう。

 セキュリティソフト企業のESETが研究者のコメントを引用して伝えるところでは、現在アンダーグラウンド市場ではXPの非公開の脆弱性に関する情報が従来の2倍以上の高値で取引されているという。サイバー攻撃者にとってXPのサポート終了は、大量の金銭を搾取できる可能性を秘めた一世一代のチャンスであるようだ。

 同社は、サイバー攻撃者がサポートの終了直後から一斉に脆弱性悪用攻撃を仕掛けるための準備を進めているとみる。4月10日以降にXPの脆弱性を悪用する多種・大量のマルウェアの出回り、マルウェアによる情報窃盗やネット詐欺などの被害が世界中で発生するかもしれないと危機感を募らせている。

 企業にとっては、XPを使い続けることのリスクがほかにもある。上述のセキュリティのリスクに端を発する「評判」のリスクだ。

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