2013年8月31日土曜日

系列会社が取り扱い開始! 通話のできない“ドコモiPhone”の狙い

NTTグループのNTTレゾナント(以下、レ社)が、7月下旬から自社運営のネットショップ「goo SimSeller」でiPhoneの販売を始めた。

系列会社であるNTTコミュニケーションズのSIMカードとのセット購入が条件だが、SIMフリーの香港版のiPhoneが手に入るのである。

ただし、レ社扱いのこのiPhone、NTTドコモの回線が使えるものの、通話はできないし、データ通信量も一日30MBまでという制限がある。しかも、端末の取り扱い数が少なく、入荷次第すぐ売り切れてしまう。

とまあ、いろいろ不便さはあるのだが、レ社がiPhoneの取り扱いを始めたという事実は、ある大きな予感を抱かせる。

つまり、ドコモによるiPhone導入への布石ではないのか?

そのように推理できる理由を説明しよう。

まず、NTTグループの中核のひとつであるドコモは、現在、販売ノルマや特許の開放など厳しい条件を突きつけてくるアップルとの間で、iPhone導入をめぐってタフな交渉を続けている真っ最中。そんなドコモおよびNTTグループが、レ社の"抜け駆け"を許すとは考えづらい。

さらに、レ社からiPhoneを購入する際、顧客が「現在の携帯キャリア」「新規購入か、買い替えか」「購入の最大の決め手は」などのアンケートに答えると、送料無料になる。しかも顧客はドコモ回線を利用するから、iPhoneを使った通信との親和性を確かめる格好のモニターとなるわけだ。

とすれば、ドコモでのiPhone取り扱いはもはや既定路線であり、きたるべきXデーに向け、レ社経由で事前調査をしていると読める。


ジャーナリストの石川温(つつむ)氏は、そうした解釈を「肯定と否定、どちらもできる」という。

「レ社の商売とすれば、iPhoneの新型機発表が9月に控えているこのタイミングで、仕入れ値が高い香港版のiPhoneをわずかな数量売り出しても、うまみは少ない。逆にレ社が販売時に行なう顧客アンケートの結果は、iPhone導入にまだ色気があるドコモにとって、価値の高いマーケティング情報です」(石川氏)

要するに、Android機でソニー&サムスンの"ツートップ戦略"を打ち出しているドコモとしては、対外的なプライドがある。だから、レ社を先兵として使い、iPhone導入への下準備をしている可能性があると。

だが、その一方、今回のレ社の動きとドコモはまったくの無関係とも考えられる部分も……。

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